請求書とは?作成が必要なケースを確認しよう
請求書とは、商品を納品したりサービスを提供したりした際に、代金の支払いを相手に求めるための書類です。
「口頭で伝えればいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、請求書には大切な役割があります。
- 「いくら・いつまでに・何の代金を」支払うかを明確にする
- 支払いトラブルを防ぐ証拠書類になる
- 相手側の経理処理に必要な書類として求められる
特に法人や個人事業主との取引では、請求書の発行はほぼ必須と考えてください。
請求書が必要な主なケース
| ケース | 具体例 |
|---|---|
| 商品を販売したとき | 取引先に商品を納品した |
| サービスを提供したとき | コンサル・制作・代行業務など |
| 継続的な取引があるとき | 毎月の保守費用・顧問料など |
| 業務委託を受けたとき | フリーランス・副業の報酬 |
逆に、小売店でのレジ販売のようにその場で代金をもらう取引では、領収書を発行することが多く、請求書は省略されるケースもあります。
請求書に必ず記載すべき8つの項目
請求書には、法律で「必ずこれを書け」という厳密な規定はありません。ただし、相手が経理処理をするために必要な情報と、支払いに必要な情報は揃えておく必要があります。
以下の8項目が、一般的な請求書の「基本セット」です。
請求書に必要な8つの項目
| # | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| ① | 書類のタイトル | 「請求書」と明記する |
| ② | 発行日(請求日) | 請求書を作成・送付した日付 |
| ③ | 請求書番号 | 管理用の通し番号(任意だが推奨) |
| ④ | 宛先 | 支払う相手の会社名・氏名 |
| ⑤ | 発行者情報 | 自社の会社名・住所・連絡先 |
| ⑥ | 品目・数量・単価・金額 | 何をいくつ・いくらで提供したか |
| ⑦ | 消費税・合計金額 | 税抜金額・消費税額・税込合計 |
| ⑧ | 支払期限・振込先 | いつまでに・どこに振り込むか |
この8項目が揃っていれば、ほとんどの取引で問題なく使えます。
なお、インボイス制度(適格請求書)に対応する場合は追加項目が必要になります。これについては後の見出しで詳しく説明します。
【記載例付き】各項目の正しい書き方
① 請求書のタイトル・日付・番号
タイトルは「請求書」とシンプルに書けばOKです。
発行日は請求書を送る日付を記載します。月末締め・翌月請求の場合は、送付日ではなく「請求日」として月末日を記載するケースもあります。取引先の経理ルールに合わせましょう。
請求書番号は必須ではありませんが、つけておくと管理がしやすくなります。
記載例:
請求書番号:2024-001
② 宛先と自社情報
宛先は正式な会社名・部署名・担当者名を書きます。「御中」か「様」を必ずつけてください。
記載例:
株式会社〇〇 経理部 御中
自社情報には以下を記載します。
- 会社名(または屋号・氏名)
- 住所
- 電話番号・メールアドレス
- 捺印(必須ではないが慣習として多い)
③ 品目・数量・単価・金額
何をいくつ、いくらで提供したかを明確に書きます。サービスの場合は「業務内容」がわかる名称にしましょう。
記載例:
品目 数量 単価 金額 Webサイト制作費 1式 150,000円 150,000円 修正対応費 3回 5,000円 15,000円
④ 消費税・合計金額
税抜金額・消費税額・税込合計の3行を分けて記載するのが基本です。
記載例:
小計:165,000円
消費税(10%):16,500円
合計:181,500円
軽減税率(8%)の品目が混在する場合は、税率ごとに分けて記載します。
⑤ 支払期限・振込先
支払期限は「〇年〇月〇日」と具体的な日付で書きます。「翌月末払い」など口頭で決めていても、請求書には必ず日付を明記しましょう。
振込先は以下をすべて記載します。
- 金融機関名・支店名
- 口座種別(普通・当座)
- 口座番号
- 口座名義(カタカナ)
記載例:
〇〇銀行 △△支店 普通 1234567
口座名義:カブシキガイシャ〇〇
振込手数料の負担については、「振込手数料はご負担ください」などひと言添えておくとトラブルを防げます。
請求書テンプレート(コピペ用・そのまま使えるひな形)
実際に使えるテンプレートをそのまま掲載します。WordやGoogleドキュメントにコピーして、自社情報を書き換えるだけで使えます。
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請 求 書
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請求書番号:2024-001
発 行 日:2024年○月○日
【請求先】
株式会社〇〇〇〇 御中
【請求元】
会社名/屋号:
住 所:
電話番号 :
メールアドレス:
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品目 数量 単価 金額
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〇〇〇〇〇〇〇〇 1式 000,000円 000,000円
〇〇〇〇〇〇〇〇 1式 000,000円 000,000円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小計 000,000円
消費税(10%) 00,000円
合計 000,000円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【お支払期限】
〇〇〇〇年〇月〇日
【振込先】
〇〇銀行 △△支店 普通 1234567
口座名義:カブシキガイシャ〇〇
※振込手数料はご負担をお願いいたします。
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Googleスプレッドシート・Excelで作りたい場合
上記のテキスト形式ではなく、罫線付きの表形式で作りたい場合は、以下の無料テンプレートが便利です。
- Googleスプレッドシート:「請求書 テンプレート」で検索するとそのままコピーして使えるものが多数あります
- freee・MFクラウド:会計ソフトを使っている場合は請求書作成機能が内蔵されているので、そちらを使うのが一番効率的です
インボイス制度対応|適格請求書との違いと追加項目
023年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まりました。取引先が消費税の仕入税額控除を受けるためには、**適格請求書(インボイス)**が必要になります。
通常の請求書と適格請求書の違い
| 項目 | 通常の請求書 | 適格請求書(インボイス) |
|---|---|---|
| 登録番号の記載 | 不要 | 必要 |
| 税率ごとの記載 | 任意 | 必要 |
| 税率ごとの消費税額 | 任意 | 必要 |
| 発行できる人 | 誰でも | 適格請求書発行事業者のみ |
適格請求書に追加が必要な3項目
通常の請求書8項目に加えて、以下を追記します。
① 登録番号
税務署に登録した際に付与される番号です。「T」+13桁の数字で表記します。
記載例:登録番号:T1234567890123
② 税率ごとに区分した消費税額
10%と8%(軽減税率)が混在する場合は、それぞれ分けて記載します。
記載例:
10%対象:100,000円 消費税:10,000円
8%対象:50,000円 消費税:4,000円
③ 適用税率
各品目に税率(10%・8%)を明記します。
インボイスに対応しないとどうなる?
免税事業者(売上1,000万円以下)の場合、適格請求書発行事業者に登録していなければインボイスを発行できません。その場合、取引先が仕入税額控除を受けられなくなるため、取引を敬遠されるリスクがあります。
登録するかどうかは事業の状況によって判断が異なるため、不安な場合は税理士に相談することをおすすめします。
請求書を送る前のチェックリスト10項目
請求書を送る前に、以下の10項目を確認する習慣をつけましょう。ミスが1つあるだけで、支払いが遅れたり、再発行の手間が発生したりします。
送付前チェックリスト
- 宛先の会社名・部署名・担当者名は正しいか
- 「御中」「様」の使い分けは合っているか
- 発行日・請求書番号は記載されているか
- 品目・数量・単価・金額に誤りはないか
- 消費税の税率(10%・8%)は正しく適用されているか
- 合計金額の計算は合っているか
- 支払期限は明記されているか
- 振込先の口座情報に誤りはないか
- インボイス対応が必要な取引先の場合、登録番号は記載されているか
- 捺印が必要な場合、押印は済んでいるか
特に注意したいのは「振込先の口座番号」と「合計金額」
この2つはミスがあっても気づきにくく、相手が振込をしようとして初めて発覚するケースが多いです。送付前に必ず声に出して確認する習慣をつけると、ミスを大幅に減らせます。
よくある請求書のミスと対処法
請求書のミスは、どんなに気をつけていても起こるものです。大切なのはミスに気づいたときの対処を正しく行うことです。
よくあるミスと対処法一覧
| ミスの内容 | 対処法 |
|---|---|
| 金額の計算ミス | 訂正した請求書を「再発行」して送り直す |
| 振込先の口座番号が間違っていた | すぐに電話で連絡し、正しい請求書を再送する |
| 宛先の会社名・担当者名が違った | 再発行して謝罪のひと言を添えて送る |
| 消費税の税率を間違えた | 再発行が必要。税額が変わるため要注意 |
| 請求書を送るのを忘れていた | 気づいた時点ですぐ送る。期限が迫っている場合は電話でも連絡 |
| 二重請求してしまった | 相手に謝罪の上、一方をキャンセルする旨を明記した書面を送る |
請求書を「訂正」してはいけない理由
一度発行した請求書を修正ペンや上書きで訂正するのはNGです。証憑書類(しょうひょうしょるい)としての信頼性が失われるためです。
ミスに気づいたら、必ず以下の手順で対応しましょう。
- 元の請求書に「取消」と明記した書類(または口頭・メール)で無効を伝える
- 正しい内容で新たに請求書を発行する
- 請求書番号は新しい番号をつける(例:2024-001→2024-001R)
ミスを防ぐための習慣
- 請求書は必ず2回確認してから送る
- テンプレートを使い回す場合は前回の情報が残っていないか確認する
- 送付後は控えを保存しておく(電子帳簿保存法の観点からも重要)
まとめ|請求書は「型」を覚えれば怖くない
請求書は、最初は難しく感じるかもしれませんが、一度フォーマットを作ってしまえば、あとは使い回すだけです。
この記事で紹介した内容をおさらいします。
この記事のまとめ
- 請求書は代金の支払いを求める書類で、法人・個人事業主との取引ではほぼ必須
- 必要な8項目(タイトル・日付・番号・宛先・発行者・品目・消費税・支払期限)を揃えれば基本はOK
- インボイス制度対応が必要な場合は「登録番号」「税率ごとの消費税額」「適用税率」を追加する
- 送付前には10項目のチェックリストで確認する習慣をつける
- ミスに気づいたら訂正せず、必ず再発行で対応する
請求書作成を効率化するには
毎月複数の請求書を発行する場合は、会計ソフトの請求書機能を使うのがおすすめです。freee・MFクラウド・弥生などの会計ソフトには請求書作成機能が内蔵されており、入力した内容がそのまま会計データにも反映されるため、二重入力の手間がなくなります。
請求書の基本を押さえたら、次は会計ソフト選びも検討してみてください。当ブログでは freee・MFクラウド・弥生の比較記事も公開しています。

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