合算入金でどの請求分か分からないとき|私はまず請求一覧から確認します

合算入金がどの請求分か分からず、通帳と請求一覧を見比べて考えこむ経理担当者

通帳に入金があったのに、どの請求書の金額ともぴったり合わない。複数の請求をまとめた「合算入金」だと分かっても、何の分かを特定できず、手が止まることがあります。

そんなとき、私はまず請求一覧を開きます。その取引先の未入金の請求を確認し、古いものから順に足して、入金額と合う組み合わせを探します。ただし、金額の一致は候補を見つける手がかりであって、対象の請求を確定する根拠とは限りません。社内の記録で分からなければ、取引先に確認します。

経理1年目のころ、3〜4件分の請求がまとめて振り込まれ、何度も戸惑いました。当時の経験と、そこから考える確認の順番を書きます。

目次

合算入金で手が止まるのは、通帳に合計額しか載らないから

請求書1枚に対して1回の振込なら、請求金額と入金額の一致が手がかりになります。一方、合算入金は複数の請求が1回の振込にまとめられるため、請求書を1枚ずつ見ても金額が一致しません。

私も最初は、入金額を見て「どう見ても合わない」と思いました。1件ずつ探す方法では見つからない。でも、ほかにどう探せばいいのか分からない。そこで止まってしまったのです。

ここで必要なのは、合計額を眺め続けることではなく、どの請求が入金の候補になるかを整理することです。

まず請求一覧を見る理由|当時、手元にあった確認資料

私が最初に請求一覧を開いたのは、正直に言うと、当時、手元にある資料がそれしかなかったからです。請求一覧はExcelで管理していました。

通帳で確認できる入金日・金額・振込名義だけでは、どの請求の分かまで分からないことがあります。請求一覧を開くと、こちらが「いつ、いくら請求したか」と照らし合わせられます。

取引先から入金の内訳や支払明細が届いている場合は、それも確認資料になります。まず手元の請求記録と、届いている明細を確認する。この順番なら、取引先に問い合わせるときも、分かっていることと不明点を整理できます。

請求一覧で確認するのは、金額と未入金の印だけではない

当時、私が主に見ていたのは、請求金額と未入金かどうかの2つでした。今、確認手順として整理するなら、次の項目も一緒に見ます。

  • 取引先:今回の入金に対応する取引先の請求か
  • 請求日・請求番号:いつの、どの請求か
  • 請求金額と未入金額:すでに一部が入金されていないか
  • 入金状況:未入金なのか、入金済みなのか
  • 支払予定日:今回の入金時期と対応する請求か

まずは、その取引先の未入金の請求を候補にします。すでに入金が済んでいる請求を外せば、組み合わせを探す範囲が狭くなります。

ただし、一覧の「未入金」という印そのものが間違っていることもありました。合わないときは、その印を信用して計算を繰り返すだけでなく、過去の入金記録も見直します。

古い順に足して、入金額と合う候補を探す

候補を整理したら、次は組み合わせを探します。私は古い請求から順に足す方法で確認していました。

たとえば、未入金の請求が次の3件で、入金額が253,000円だったとします。数字は説明のための例です。

請求日 請求金額 古い順に足した合計
7月末 110,000円 110,000円
8月末 55,000円 165,000円
9月末 88,000円 253,000円

※入金額253,000円と、3件の合計が一致

3件目まで足すと入金額と一致するので、「7月末・8月末・9月末の3件分ではないか」という候補が見つかります。

ただし、別の組み合わせでも同じ合計になる可能性があります。また、取引先が必ず古い請求から順に支払うとは限りません。古い順は、探し始めるための目安です。届いている内訳や支払予定と照らし合わせ、不明点が残るなら、金額だけで入金済みにしないようにします。

20年経理マン

金額が合っても、まだ「候補」です。どの請求の分かを確認してから、入金済みにしましょう。

請求書の控えを古い順に1枚ずつ確かめ、電卓で足していく経理担当者
古い順に足すと、入金額と一致する候補を探しやすくなる

合わないときは、請求一覧と候補の範囲を見直す

当時は、足し合わせても合わないことが何度もありました。実際に困ったのは、次の3つです。

請求一覧そのものが間違っていた

一覧には、次のような誤りがありました。

  • 金額の打ち間違い:一覧の金額が、発行した請求書と違う
  • 入金済みなのに「未入金」のまま:すでに払われた請求が候補に混ざる
  • 請求の記載漏れ:請求したのに一覧に載っていない

元の記録が違っていれば、足し算が正しくても合いません。計算のやり直しと併せて、請求書の控えや過去の入金記録を確認します。自分の計算だけでなく、計算に使う資料も確かめることが大切です。

請求書の控えが見当たらなかった

一覧を確かめようとしても、元になる控えが見つからないこともありました。当時の私には、一覧の内容を確認する手がかりが足りませんでした。

同じ状況なら、紙の控えだけでなく、請求書の保存データや送付履歴、作成担当者の記録など、ほかに確認できるものがないかを探します。それでも分からなければ、社内だけで無理に結論を出さず、取引先に確認します。

2か月前の請求分が入金に含まれていた

取引先に聞いて初めて、2か月前の請求分が含まれていると分かったこともありました。

この経験から、確認する請求の範囲を狭くしすぎないことも大切だと思います。今月分や先月分だけに絞ると、それ以前の請求を見落とす可能性があります。未入金の請求全体を確認してから、支払予定日などを手がかりに候補を絞る。これを、今おすすめする手順として整理しています。

分からなければ、入金日と金額を伝えて取引先に確認する

社内の資料で特定できないとき、私は取引先の経理担当者に電話をして、何の分の入金かを聞きました。

こちらが請求したお金なのに、その内訳が分からない。正直、恥ずかしさはありました。でも、私が問い合わせたときは対応してもらえました。2か月前の請求分が含まれていると分かったのも、この電話でした。

推測で請求に当てはめると、本当は未入金の請求を「入金済み」にしてしまうおそれがあります。ためらって曖昧なまま処理するより、内訳を確認するほうが、あとで未入金の状況を追いやすくなります。

聞くときは、入金日と入金額を先に伝えると、相手も該当する支払を探しやすくなります。問い合わせ文の一例です。

○月○日に、○○円のご入金を確認いたしました。ありがとうございます。弊社の請求記録と照合しておりますので、対象の請求番号と、それぞれの支払金額をお教えいただけますでしょうか。支払明細がございましたら、ご共有いただけますと幸いです。

確認できた内訳と、対応する請求を記録し、そのうえで入金状況を更新します。不明点が残る部分は、確定したものと区別して管理します。

一人で抱えるより、請求から入金まで追える記録を残す

その後、私は請求書の作成、控えの保管、請求一覧の作成をすべて自分で担当するようになりました。それから、一覧の作成ミスや控えの紛失で迷うことはなくなりました。

ただ、これは「全部一人で担当すればよい」という話ではありません。担当者が分かれていても、請求書の控えがどこにあり、どの請求が未入金なのかを追える状態にしておくことが大切です。

合算入金で手が止まると、自分の計算や能力を疑いたくなるかもしれません。でも、私が困った原因には、元の記録の誤りや、必要な資料が見つからないこともありました。計算を繰り返すだけでなく、資料と確認範囲を見直す。分からない部分は取引先に聞く。それで次の確認に進めます。

まとめ

  • 合算入金は、まず請求一覧と、届いている入金内訳・支払明細を確認する
  • 取引先の未入金の請求を、請求日・金額・支払予定日と併せて整理する
  • 古い順に足すのは候補を探す方法。金額の一致だけで確定しない
  • 合わないときは、一覧の誤り、控えの所在、過去の請求の見落としを確認する
  • 特定できなければ、取引先に入金日と金額を伝え、対象の請求と内訳を確認する
  • 担当者が分かれていても、請求から入金まで追える記録を残す

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この記事を書いた人

中小企業の経理20年目。日商簿記2級。教科書に載っていない実務のつまずきどころを書いています。

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