「この摘要、何て書けばいいんだろう…」
仕訳の借方・貸方や勘定科目は分かってきても、摘要欄の書き方だけは毎回手が止まる、という方は多いのではないでしょうか。私自身、経理の実務担当者として、摘要の書き方で上司から指摘を受けた経験があります。この記事では、その失敗をきっかけに私が実践するようになった、摘要の書き方の基準をお伝えします。
摘要の書き方に迷う根本原因
摘要欄には、正解のフォーマットが決まっているわけではありません。だからこそ、「何をどこまで書けばいいのか」という基準がないまま、その場の感覚で書いてしまいがちです。会社名だけを書く人もいれば、詳細に書き込む人もいて、経理担当者ごとにばらつきが出やすい部分でもあります。
基準がないまま摘要を書き続けていると、後から見返したときに「この取引が何だったのか分からない」という事態に陥ります。実際、私自身がその状態に陥り、痛い経験をしたことがあります。
実際にあった失敗談
過去に、摘要欄に会社名のみ、あるいは「何月分」としか書かなかったことがありました。その場では自分では分かっているつもりだったのですが、後から見返した際に、何の取引だったのか全く判断がつかなくなってしまったのです。結局、上司から「これだけでは分からない」と指摘・注意を受けることになりました。
この経験から、摘要は「今の自分」のためではなく、「後で見返す自分」や「他の人」のために書くものだと痛感しました。

私の場合は「すぐ答えられるか」「すぐ分かるか」を基準にしている
私の場合、摘要を書く際に重視しているのは次の2点です。
- 聞かれたときにすぐ答えられるか
- 後で見返したときにすぐ分かるか
この2つを満たしているかどうかを、摘要を書くたびに自分に問いかけるようにしています。情報量をたくさん書き込むことよりも、この「すぐ分かる」状態を優先する方が、実務上はずっと役に立ちます。
具体的な書き方:行事名(参加者名もあれば便利)
具体的な書き方としては、「行事名」を主とし、それに「参加人員・参加者名」を添えるようにしています。また、領収書・レシートの裏に行事名や参加者名を書いておきます。
例えば、取引先との打合せであれば「〇〇社 打合せ 田中・鈴木」のように、誰との何のための支出かが一目で分かる形にしておきます。この一言があるだけで、後から見返したときの判断のしやすさが大きく変わります。
領収書に押印・サインをもらう運用
加えて、領収書・レシートには、使用者の押印またはサインをもらっておくようにしています。これにより、後から「誰が・何のために使ったものか」が一目で分かり、確認の手間が大きく減ります。
この運用は、特別なツールや仕組みを導入しなくても、すぐに始められる工夫です。低コストで再現性が高く、他社でもそのまま真似しやすい方法だと思っています。以前、勘定科目の判断に迷ったときの対処法として同じ運用に触れましたが、摘要の書き方という観点から見ても、この一手間は実務上とても効果があります。

情報量より「一目で分かるか」を優先する
摘要を書くとき、つい情報を細かく詰め込みたくなりますが、優先すべきは情報量の多さではなく、「あとで自分や他人が見て一目で分かるか」です。摘要の情報量が多少減っても、この「すぐ分かる」状態を優先することを意識しておくと、摘要の書き方に迷いにくくなります。
行事名だけでなく、参加者名まで書いておくと、経費の使途に関する問い合わせにも即答できます。逆に、情報を絞りすぎて後から判断できなくなるくらいなら、多少手間でも一言添えておく方が、結果的に自分を助けることになります。
迷ったときの「型」を持っておく
摘要を書くたびに一から考えていると、時間もかかりますし、その日の気分によって書き方がぶれてしまいます。私の場合、基本は「行事名(参加者名もあれば便利)」という型を決めておき、迷ったときはこの型に当てはめるだけにしています。
例えば、次のような形です。
- 取引先との打合せ:「〇〇社 打合せ 代表者名 他1名」
- 社内会議の飲食:「〇〇会議 昼食代 代表者名 他4名」
- 備品購入:「〇〇店 事務用品 購入者:田中」
一つひとつ悩むのではなく、決まった型に当てはめるだけにしておくと、摘要を書くスピードも安定しますし、誰が書いても情報の粒度がそろうというメリットもあります。特に複数人で経理を担当している場合は、こうした型を共有しておくだけで、後から見返す人の負担がぐっと減ります。
仕訳・勘定科目で他にも迷ったら
摘要の書き方に加えて、仕訳や勘定科目そのものの判断に迷う場面もあると思います。次の記事もあわせて参考にしてください。
まとめ
仕訳の摘要は、「聞かれたときにすぐ答えられるか」「後で見返したときにすぐ分かるか」を基準にすると、書き方に迷いにくくなります。行事名に参加人員を添え、領収書には使用者の押印・サインをもらっておく。この一手間が、後から自分や周りを助けてくれます。情報量を増やすことよりも、一目で分かる状態を優先することを、ぜひ意識してみてください。
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