月初1日、経理は何から始める?|私は「自分だけで終わる仕事」から手をつける

「月が変わった。でも、何から手をつければいいんだろう」

月初の1日目、画面を開いたまま手が止まる。経理を始めたばかりの頃、私はよくそうなっていました。

いまの私は、まず「自分だけで終わる仕事」から手をつけます。相手を待つ仕事は、後ろに回します。

私は中小企業で経理を20年やっています。この記事では、月初1日に私が実際にやっていることを順番に書きます。すべて私の場合の話として読んでください。

月初1日の朝、デスクで何から手をつけるか考えて手が止まっている経理担当者のイメージ図
月初1日、何から手をつけるか迷っているイメージ
目次

最初に開くのはExcel。今月の月次リストを作る

月初1日、私が最初にやるのは今月の月次リストを作ることです。開くのはExcelです。

仕訳でも、伝票でもありません。まず、今月やることを並べます。

理由は単純で、頭の中に置いておくと必ず抜けるからです。月次の作業は数が多く、しかも「相手から届くのを待つもの」が混ざります。待っているものは、待っている間ずっと頭の隅に居座ります。その状態で別の作業をすると、どちらも中途半端になります。

リストにしてしまえば、頭から出せます。手を動かす前に、まずリストを作る。これが私の月初1日の一手目です。

同時にカレンダーを見る。見るのは自社の休みだけではない

リストを作りながら、カレンダーを確認します。

土曜・日曜・祝日を見る。ここまでは、たぶん誰でもやります。

私がもうひとつ見るのは、相手先の休みです。

これは、経理を続けているうちに自然とやるようになりました。こちらが動ける日でも、相手が休んでいれば資料は来ませんし、問い合わせても返事は返ってきません。

自社のカレンダーだけを見て「今月は営業日が多いから余裕がある」と考えると、外していることがあります。こちらの営業日と、相手が動いている日は違う。月初1日にここを見ておくかどうかで、後半の慌て方が変わります。

パソコンで今月の月次リストを作りながら、卓上カレンダーで日程を確認している経理担当者のイメージ図
リストを作りながら、カレンダーで相手先の休みも確認するイメージ

着手するのは「自分だけで片づけられるところ」から

リストとカレンダーができたら、手をつけます。

順番の決め方は単純です。自分だけで片づけられるところから始めます。

相手がいないと進まない仕事は、こちらがどれだけ急いでも進みません。先にやろうとしても、結局止まります。止まっている間に他の作業へ移ればいいのですが、一度手をつけた仕事を途中で置くと、戻ってきたときにまた思い出すところからになります。

だから、最初から相手待ちのものには手をつけません。自分の手の中で完結するものを先に片づけて、その間に相手からの資料が届くのを待ちます。

具体的には、相手先への支払いの確認と、入金の確認です。どちらも、相手に何かを出してもらう必要がありません。こちらの手元だけで進められます。

ただ、入金の確認でも、複数の請求がまとめて振り込まれていると、どの請求分か分からず手が止まることがあります。そのときの確認順は、合算入金でどの請求分か分からないとき|私はまず請求一覧から確認しますに書きました。

あとは毎月固定で入れる仕訳です。ただしここは会社によって中身がまったく違うので、あなたの会社に同じものがあるかは何とも言えません。「毎月、必ず同じように発生するもの」が自分の会社に何かないかを探してみてください。あれば、それが月初1日の一番手になります。

優先順位そのものの考え方は経理の仕事の優先順位|判断基準は「相手先」に書きました。月初1日も同じで、相手がいる仕事かどうかで見ています。

並行して、どの取引先の資料が来ていないかを確認する

自分の作業を進めながら、同時にやることがあります。

どの取引先から資料が来ていないかの確認です。

待っているのは、主に請求書と経費精算です。午前中のうちに、この集まり具合を把握しておきたい。ここが見えていないと、午後になって「あれも来ていない」と気づくことになります。

なお、月次決算が終わらない原因が自分の作業ではなく、外から届く書類を待つ時間にあることは月次決算とは|年次決算との違いと効率化の基本に書きました。あちらは月末までに前倒ししておく話です。この記事は、その先の月が変わった1日目に何をするかの話になります。

経費精算については経費精算の締め日ルール|守ってもらうための工夫と対処法もあわせてどうぞ。

正直に書くと、午後もやることは変わりません

ここは正直に書きます。

午前と午後で、やることは変わりません。

午後もやっているのは、書類が届いていない取引先への問い合わせです。届いたものを処理して、届いていないところに連絡する。それの繰り返しです。

そして、詰まるところもいつも同じです。経費精算と、請求書を作るための基礎資料の待ち。ここで止まります。

「経理の1日」と聞くと、時間ごとに違う仕事をしているように思うかもしれません。私の月初1日は、そうではありません。午前も午後も、待って、確認して、問い合わせています。

段取りが崩れるのは、GWと年末年始

ここまで書いた段取りが、崩れる月があります。

ゴールデンウィークと、年末年始です。

理由は単純で、相手先も休んでいるからです。こちらが出社していても、資料は来ません。問い合わせても、返事は連休明けになります。

だから、月初1日にカレンダーで相手先の休みを見ておくわけです。連休が挟まる月は、動ける日数が思っているより少ない。そこを最初に把握しておかないと、後半で一気に苦しくなります。

崩れると分かっている月があるなら、崩れる前提で組む。それが分かるだけでも、月初1日にカレンダーを見る価値があります。

20年で変わったのは、自分がやるか、後輩を確認するかだけ

20年やって、月初1日にやることは基本的に変わっていません。

相手先の資料との金額の突き合わせ。届いていないところへの問い合わせ。これは新人の頃も、いまも同じです。

変わったのは一つだけです。

自分がやるのか、後輩がやっているかを確認するのか。その立場が変わりました。やっていることの中身は、20年前と同じです。

月初1日の着手順

ここまでを、実際に手を動かすときの形にまとめます。

順番 やること 理由
1 今月の月次リストを作る(Excel) 頭の中に置くと抜ける
2 カレンダーを見る(土日祝+相手先の休み) 相手が休みの日は資料が来ない
3 自分だけで片づけられる仕事に着手する
(支払いの確認・入金の確認・毎月固定の仕訳)
相手待ちは急いでも進まない
4 並行して、資料が来ていない取引先を確認する 待ちの発生源を早く知る
5 届いていない相手に問い合わせる 午後もこれの繰り返し

1と2は、手を動かす前の作業です。ここを飛ばして仕訳から入ると、あとで戻ることになります。

まとめ|月次だからといって、毎月新しいことが起きるわけではない

月初1日に私がやっていることを書いてきました。

  • 最初に今月の月次リストをExcelで作る
  • カレンダーで、自社の休みと相手先の休みを確認する
  • 着手するのは自分だけで片づけられるところから(支払い・入金の確認、毎月固定の仕訳)
  • 並行して、資料が来ていない取引先を確認する
  • 午前も午後も、やることは変わらない
  • 崩れるのはGWと年末年始

最後に、20年やって一番強く思っていることを書きます。

月次だからといって、毎月新しいことが発生するわけではありません。

毎月、同じものを待って、同じところで詰まります。20年経っても同じです。

だから、月初1日にやることは決まっています。決まっているものを、決まった順番でやる。それだけです。手が止まっているなら、まずリストとカレンダーからで大丈夫です。

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この記事を書いた人

中小企業の経理20年目。日商簿記2級。教科書に載っていない実務のつまずきどころを書いています。

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