「自分の手は空いているのに、仕事が進まない」
上司の確認待ち、他部署の返事待ち、取引先からの資料待ち。経理をしていると、自分の作業を終えても、その先へ進めない時間があります。
そんなとき、私は締切までの残り時間を見て、待つか催促するかを決めています。返事を待っている間は、手元で進められる別の仕事に切り替えます。
私は中小企業で経理を20年やっています。この記事では、相手の返事を待つ場面での判断と、待ち時間に仕事を進めておいて助かった経験を書きます。

経理の仕事には、自分だけでは進められない場面がある
経理の仕事は、自分の手元だけで完結するものばかりではありません。
- 上司の確認待ち:判断を仰いでいて、返事が来るまで処理を進められない
- 他部署の返事待ち:申請内容に分からない点があり、確認をお願いしている
- 取引先からの資料待ち:処理に必要な請求書や資料が届いていない
新人の頃、私はこの時間が苦手でした。自分の仕事が遅れているように感じるのに、自分だけでは進められない。落ち着かないまま、同じ画面を見ていたこともあります。
いまは、返事待ちが生じることも、経理の仕事の一部だと考えています。相手の返事が必要な仕事はいったん置き、その間に進められる仕事を探すようになりました。
待つか催促するかは、締切までの残り時間で決める
私の場合、判断材料の重みは、感覚的に「締切までの残り時間が7割、相手の返事の傾向が3割」です。数字で測っているわけではありませんが、それくらい締切を重く見ています。
締切に余裕があれば待ち、近づいてきたら声をかける
まず見るのは、締切までどれだけ時間が残っているかです。余裕があるうちは、相手の返事を待ちます。急かしても早くなるとは限りませんし、相手にも予定があります。
一方、締切が近づいてきたら、こちらから声をかけます。期限を過ぎてから「返事を待っていました」と説明しても、遅れを取り戻すのは難しいからです。
読者の方がこの判断を使うなら、締切の日付だけでなく、返事を受け取ったあとの確認や処理にかかる時間も含めて考えると、催促のタイミングを決めやすくなります。
返事に時間がかかる相手には、少し早めに確認する
もう一つ見るのが、これまでのやり取りです。返事が早い相手か、時間がかかりやすい相手か。付き合いのなかで分かってくる傾向があります。
返事に時間がかかる相手には、同じ残り日数でも早めに一声かけます。ただ、判断の中心は、あくまで締切までの余裕です。「催促しづらいから」と迷い続けるより、仕事に残された時間を基準にするほうが、私も判断しやすくなります。
年末調整のように、多くの人から期限までに書類を集める場合には、まとめて周知する工夫も必要です。そのときの経験は、年末調整の書類を出さない人への催促|150人分で効いた方法に書きました。
返事を待つ間は、手元で進められる仕事に切り替える
「待つ」「催促する」と「別の仕事に切り替える」は、組み合わせて使います。相手の返事を待ちながら別の仕事を進め、締切が近づいたら確認の連絡を入れる、という動き方です。
私が待ち時間によく進めるのは、入金の確認と支払いの確認です。その時点で手元の情報で確認できる分を進めます。
入金の確認で、複数の請求がまとめて振り込まれていて手が止まったときの確認順は、合算入金でどの請求分か分からないとき|私はまず請求一覧から確認しますに書きました。
ただし、いつもこの2つと決めているわけではありません。ほかにたまっている仕事があれば、そちらに取りかかることもあります。
「待ち時間用の作業リスト」を作っているわけでもありません。手が空いたときに、いま進められるものを進める。私には、そのくらいのやり方が合っています。

月初の1日目に何から手をつけるかについても、似た考え方をしています。着手する順番は、月初1日、経理は何から始める?|私は「自分だけで終わる仕事」から手をつけるで紹介しています。
先に入金・支払いを確認しておいて、助かった日
ある日、返事待ちで仕事が止まったので、その間に入金の確認と支払いの確認を進めていました。
そのあと、問い合わせが入りました。対応にかかりきりになり、予定していた作業に戻れないまま、その日が終わってしまいました。
もし待ち時間に何も進めていなかったら、入金の確認も支払いの確認も、まるごと残っていたはずです。入金と支払いの確認を先に進めておいたことが、その日の助けになりました。
この経験から、手が空いているうちに進める意味を感じました。経理では、予定していなかった問い合わせが入ることがあります。あとで使えるつもりだった時間が、そのまま使えるとは限りません。
「催促するタイミング」と「問い合わせへの対応順」は別の判断
私は、取引先や他部署から問い合わせが来たら、そちらの対応を優先しています。そのときは、誰からの問い合わせかを判断材料にしています。この考え方は、経理の仕事の優先順位|判断基準は「相手先」に書きました。
ここでいう仕事の優先順位は、問い合わせなどが入ったときの対応順の話です。一方、この記事の「待つか催促するか」は、すでに依頼した仕事について、いつ相手に声をかけるかの話です。
問い合わせへの対応で予定が変わることもあるので、自分だけで進められる仕事は、進められるうちに進めておく。私にとって、返事を待つ時間は、そのために使える時間でもあります。
仕事が止まったときの判断を整理すると
私の動き方を表にすると、次のようになります。
| 状況 | 私がとる行動 | 考え方 |
|---|---|---|
| 締切まで余裕がある | 返事を待つ | 相手にも予定があるため、すぐに催促はしない |
| 締切までの余裕が少なくなった | 確認の連絡を入れる | 期限を過ぎる前に、こちらから声をかける |
| 返事に時間がかかりやすい相手 | 同じ残り日数でも早めに確認する | これまでのやり取りも判断材料にする |
| 返事待ちで手が空いている | 手元で進められる別の仕事に切り替える | 入金・支払いの確認や、たまっている仕事を進める |
迷ったときは、まず締切までの余裕を確認してみてください。そのうえで相手の返事の傾向を考えると、待つか、声をかけるかを判断しやすくなります。
まとめ|返事を待つ間に、進められる仕事を一つ進める
経理には、上司・他部署・取引先の返事を待たなければ進まない仕事があります。私が意識しているのは、次の3点です。
- 待つか催促するかは、締切までの残り時間を中心に判断する
- これまでのやり取りを踏まえ、返事に時間がかかる相手には早めに声をかける
- 待っている間は、手元で進められる仕事に切り替える
新人の頃は、返事を待つ間、落ち着かずに同じ画面を見ていたこともありました。いまは、その時間に別の仕事を進めておいて助かる日があります。
手が空いて落ち着かないときは、相手の返事がなくても進められる仕事を、一つ探してみてください。その一つが、あとで予定外の仕事が入ったときの助けになることがあります。
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